近年、浴室の床リフォームを検討する人が増えています。その主な理由は、湿気や水による滑りやすさ、カビの発生、冬場の冷たい床による不快感、さらには長年の使用で頑固な汚れが落ちにくくなるなど、多岐にわたります。
これらの問題を解決するためには、適切な床材を選び、正しい方法でリフォームを行うことが重要です。DIYで挑戦する場合も、正確な手順を踏むことが必要です。この記事では、浴室床のリフォームを考えている方向けに、必要な情報をまとめてご紹介します。
浴室床リフォームのタイミングと劣化原因?
築年数の目安
一般的に、浴室の床は10年から15年の使用でリフォームが必要とされます。築年数だけでなく、地域の気候や使用する水の質も影響します。例えば、硬水地域では床材の劣化が早く進むことがあります。湿度が高い地域ではカビの発生が早まるため、定期的な点検を行うことが重要です。
劣化の兆候は?
床材のひび割れ、剥がれ、変形、カビの発生や悪臭は明確なリフォームのサインです。これらを放っておくと、構造的なダメージが進み、修繕コストがかえって増大する恐れがあります。また、床が冷たく感じる場合、断熱材の劣化が考えられ、床がきしむ音がする場合は、下地の劣化が進んでいるサインです。
お風呂の床がまだらになる原因と対策
カビや水垢の蓄積
カビや水垢の蓄積は、見た目だけでなく健康にも悪影響を及ぼします。これを防ぐためには、定期的な清掃と換気が不可欠です。さらに、抗菌・防カビ効果のある床材を使用することで、カビの発生を根本的に抑制できます。また、床材の表面処理技術の進化により、水垢が付きにくい加工が施された床材も登場しており、最新の床材を入れることでメンテナンスの手間も大幅に減ることが期待できます。
床材の劣化
床材の色褪せや変色は、見た目だけでなく機能性の低下を示します。劣化した床材は滑りやすくなり、高齢者などがすむ住宅だと非常に危ないです。最新の床材は、耐久性だけでなく、防滑性能も向上しているため、安全性の面からも早期の交換をおすすめします。
浴室床リフォームの種類について
特徴 | 撤去して新設する方法 | 既存の床材の上に重ねる方法 (オーバーレイ) |
---|---|---|
施工時間 | 約1週間 | 約1日 |
コスト | 約30万円〜50万円 | 約5万円〜10万円 |
作業の複雑さ | 高い(全撤去と下地調整が必要) | 低い(直接施工で簡単) |
耐久性と品質 | 高い(長期的な解決) | やや劣る(既存の床の状態に依存) |
適用可能な床材 | ほぼ全て | 材料に制限あり(薄く軽量なもの) |
リフォームの影響 | 根本的改善可能 | 表面的改善に限定 |
生活への影響 | 施工中は浴室使用不可 | 最小限の影響 |
- 床の状態: 状態が悪い場合やデザインの全面的に変えたい場合は「古い床材を撤去して新設する方法」を選ぶと良いでしょう。既存の床がまだしっかりしており、表面のみのリフォームをする場合は「オーバーレイ」が適しています。
ヌリバス
コストとリフォームにかかる期間がだいぶ違います。例えば、「既存の床材の上から重ねる方法:オーバーレイ」は、大体1日で施工は完了します。また、費用もそんなにかからないんです。
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ただ、根本から構造を新しくしたいとか、リフォームに時間がかかっても大丈夫、予算もたっぷりあるっていう場合は、「撤去して新設する方法」がぴったりですね。
浴室床材の費用について
床材 | 平米あたりの材料費 | 特性 | 追加必要材料 |
---|---|---|---|
タイル | 約2,000円〜10,000円 | 高耐久性、防滑性 | 工具、接着剤、グラウト |
FRP | 約3,000円〜8,000円 | 施工が簡単、防水性が高い | 専用接着剤、シーラント |
樹脂製床材 (バスナフローレ) | 約4,000円〜10,000円 | 施工が容易、自己粘着性バリアント可 | (特になし) |
その他:石材(大理石、御影石) | 一般的な価格帯: 約10,000円〜30,000円/平米 高品質・希少な品種: 約50,000円〜100,000円/平米以上 | 高級感、防水性高い | (特になし) |
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一般的な浴室床材は、タイル、FRP、樹脂製床材の三つです。石材を使った浴室は高級ホテルや特殊な住宅な場合に限り見られます。
- タイル:
- 特性と利点: タイルは耐久性が非常に高く、水や湿気に強いため浴室に最適です。多様なデザインがあり、防滑性を高めるタイプも選べます。
- DIYの容易さ: タイルの設置は技術を要するため、正確なカットと配置が重要です。DIYで行う場合は、事前の準備と計画が必須です。
- 自己粘着性: タイルは自己粘着性がないため、施工には接着剤やグラウトが必要です。
- FRP(繊維強化プラスチック):
- 特性と利点: FRPは軽量で扱いやすく、優れた防水性を持ちます。カットが容易で、さまざまな形状に対応可能です。
- DIYの容易さ: FRPの取り扱いは比較的簡単で、カットと固定が容易ですが、専用の接着剤やシーラントの使用が必要になります。
- 自己粘着性: 一般的にFRPは自己粘着性がありません。
- 樹脂製床材:
- 特性と利点: 樹脂製の床材は柔軟性があり、歩行時の快適さを提供します。多くの樹脂製床材は防水性があり、デザインの選択肢も豊富です。
- DIYの容易さ: 樹脂製床材は比較的簡単に設置できるものが多く、特に自己粘着性のタイプはDIYに最適です。
- 自己粘着性: 樹脂製床材には自己粘着性のバリアントがあり、これを選べば接着剤を使用せずに設置できます。
浴室床材の選び方
浴室の床材は、使用目的に応じて選択肢があります。主要な床材の特性は下記となります。
- タイル:耐水性と耐久性に優れ、デザインバリエーションが豊富。ただし、滑りやすい表面を持つものもあるため、防滑性を備えたタイルの選択が重要。
- FRP(繊維強化プラスチック):軽量で取扱いやすく、優れた防水性を誇りますが、傷が付きやすく、耐久性には注意が必要。
- 樹脂製床材:柔らかな触感で、温かみがあり、高齢者や子供がいる家庭に適しています。
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既存の床材を完全に取り除いて新しい床材を敷く方法と、
既存の床材の上に新しい床材を重ねて設置する方法では、もともとの床材の種類によって、どちらの方法が適しているかが異なります。
撤去して新設する方法
床材 | 適用性 | 説明 |
---|---|---|
タイル | 非常に適している | 全面的に新しいデザインと耐久性を高めたい場合、床を完全に撤去してからタイルを新設することが最適です。滑り止めのあるタイルを選ぶことで、安全性も高められます。 |
FRP | 適している | FRPは軽量で防水性が高猪が特徴です。また、新しく床を作る際の施工期間が短いです。ただし、物理的な衝撃には弱いので注意が必要です。 |
樹脂製床材 | 適している | 樹脂製床材は、既存の浴室床が冷たい場合、水はけが悪く不快と感じる場合の解決先として適しています。 |
古いものを撤去して新し床材を入れる場合は、既存の床材の材質に関わらず、どんな材質のものも入れることが可能です。
既存の床材の上に重ねる方法(オーバーレイ)
既存の浴室床材も、基本的にはタイル、FRP、樹脂製床材の3つに分類されます。問題は、既存の床材によって、上に新しく重ねる床材との相性です。
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既存の床材がタイルの場合、どの材料を上に重ねるのが最適か、またFRPや樹脂製素材の場合はどうなるのかについて、以下で詳しく解説しています。
既存の浴室床材が「タイル」
オーバーレイ材料 | 相性 | 説明 |
---|---|---|
タイル | 適している | 既存のタイルの上に新しいタイルを設置すると、見た目が一新され、耐水性と耐久性が維持されます。 |
FRP | 可能だが制限あり | FRPをタイルの上に設置する場合、滑り止めとしての機能や追加の防水層として機能しますが、接着が困難な場合があります。 |
樹脂製床材 | 非常に適している | タイルの硬さを和らげ、歩行時の快適性を向上させます。また、防音性も向上します。 |
既存の浴室床材が「FRP」
オーバーレイ材料 | 相性 | 説明 |
---|---|---|
タイル | 可能だが制限あり | タイルはFRPの上に設置可能ですが、FRPの柔軟性によりタイルが割れるリスクがあります。 |
FRP | 適している | 同材料を重ねることで、防水性と耐久性がさらに向上します。設置も容易です。 |
樹脂製床材 | 適している | FRPの上に樹脂製床材を設置することで、歩行時の快適性が増し、温かみのある表面になります。 |
既存の浴室床材が「樹脂製床材」
オーバーレイ材料 | 相性 | 説明 |
---|---|---|
タイル | 可能だが制限あり | 樹脂製床材の上にタイルを設置する場合、下地処理が重要です。タイルの重さに耐えられる強度が必要です。 |
FRP | 適している | 樹脂製床材の上にFRPを設置すると、追加の防水性と耐久性が提供され、表面が硬化します。 |
樹脂製床材 | 非常に適している | 同材料を重ねることで、耐久性と快適性が向上します。見た目の一貫性も保たれます。 |
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まずは、今の浴室床の材質を確認し、ご予算にあった浴室床リフォーム方法を選択しましょう。そして、オーバーレイの場合は、元の浴室床の材料にあった床材を適応するのがおすすめです。
浴室床DIY補修の手順について
1. 準備と安全対策
必要な道具と材料:
- 防水エプロン、ゴム手袋
- マスク(粉塵対策)、防塵マスクや塗装用の専門マスクがおすすめ
- スクレーパー
- ヘラ
- サンドペーパー(粗目と細目)
- バケツとスポンジ
- 防水シール剤
- タイル接着剤
- 新しいタイルまたは床材
- グラウト(目地材)
- スポンジとタオル
- シーラント(防水剤)
2. 既存の床材の取り外し
- 電気と水の供給を停止: 安全のために浴室の電気と水を止めます。
- 古いタイルや床材の除去:
- スクレーパーを使って古いタイルや床材を慎重に剥がします。
- 破片やゴミを取り除き、床面を清掃します。
3. 床面の準備
- 床面の清掃: バケツに水を入れ、スポンジで床面をきれいに拭きます。乾燥させます。
- 床面の平滑化: サンドペーパーを使って床面を滑らかにし、不均一な部分を取り除きます。
- 防水シール剤の適用: 床面全体に防水シール剤を塗布し、乾燥させます(お使いの製品の指示に従ってください)。
4. 新しいタイルや床材の設置
- タイル接着剤の適用: 床面にタイル接着剤を均一に塗布します。ヘラを使って均等に広げます。
- タイルの配置: 新しいタイルまたは床材を接着剤の上に配置し、均等に押し付けます。タイルの間にスペーサーを使用して目地の幅を均等に保ちます。
- 接着剤の乾燥: 接着剤が完全に乾くまで待ちます(通常24時間程度)。
5. 目地材の適用
- 目地材の準備: グラウトを指示通りに混ぜます。
- 目地材の適用: ヘラを使ってタイルの目地にグラウトを押し込みます。余分なグラウトを取り除き、目地が均等になるように整えます。
- 乾燥: グラウトが乾くまで待ちます(通常24時間程度)。
- 余分なグラウトの除去: 湿らせたスポンジでタイル表面の余分なグラウトを拭き取ります。
6. 防水仕上げ
- シーラントの適用: 目地とタイル表面に防水シーラントを塗布し、乾燥させます(製品の指示に従ってください)。
- 最終清掃: 乾燥後、タイル表面をきれいに拭き取り、光沢を出します。
7. 最終確認とテスト
- 水の供給を再開: 水を少しずつ流して、漏れがないか確認します。
- 使用前の確認: 完全に乾燥した後、浴室全体をチェックし、異常がないか確認します。
補足と注意点
- 安全第一: 作業中は常に防塵・防毒マスクを着用し、換気を良くして作業してください。
- 浴室床材にあった道具の選択: お使いの浴室床材にあった高品質な防水シール剤、タイル接着剤、グラウトを使用することが重要です。
- 乾燥時間をしっかりとる: 各ステップの乾燥時間を十分に取ることが、長持ちする仕上がりにつながります。
浴室床リフォーム業者の選び方
信頼できる業者のチェックリスト:
チェックポイント | 説明 |
---|---|
資格と免許 | 建築士免許、施工管理技士などの資格保有 |
経験 | 過去の施工実績、特に浴室リフォームの経験 |
評判 | オンラインレビュー、口コミ |
見積もりの明確さ | 詳細な見積もり内容、隠れ費用がないか |
保証 | 工事後の保証内容、アフターサービス |
以下に、業者の選び方についてステップです。
- 評判の確認:
- オンラインレビューや口コミをチェック。
- 過去の施工事例を確認し、品質を評価します。
- 資格と経験:
- 施工業者が適切な資格を持っているか確認。
- 施工経験が豊富で、特に浴室床リフォームの実績があるかを確認。
- 見積もりの比較:
- 複数の業者から見積もりを取り、費用を比較します。
- 見積もり内容が詳細で、工事の範囲、使用材料、工期が明確に記載されているか確認。
浴室床リフォーム事例紹介(オーバーレイ)
一般住宅のお客様
施工料金: 5万円で施工※浴室床部分のみの場合
施工時間:1日
Before:
- 浴室床、経年劣化したタイル、冬場の寒さ。
- 継ぎ目のコーキングの劣化
After:
- 徹底的な研磨でクリーニング。
- 浴室床、新床材導入により防滑性の向上。
一般住宅のお客様
施工料金: 5万円で施工※浴室床部分のみの場合
施工時間:1日
Before:
- 経年劣化によるタイルの破損箇所あり
- タイルのまだら汚れがひどい
- 浴室床タイル部分の破損箇所の汚れが目立つ
- 冬場はとても寒い
- 破損箇所に水が溜まり水はけが悪く衛生面に問題あり
After:
- 旧床材の撤去
- 徹底的な研磨と脱脂処理によるクリーニング
- 浴室床、新床材導入により水捌けがよくなり衛生的
- 冬も暖かい
- 掃除が楽
一般住宅のお客様
施工料金: 5万円で施工※浴室床部分のみの場合
施工時間:1日
Before:
- 長年使用した石材
- くすみ等があり使用感がある
- 冬場の寒さがひどい
- 滑りやすい
After:
- 浴室床の徹底研磨による汚れの除去
- 浴室床、新床材導入、冬も暖かく衛生的にリノベーション。
- 滑りとべに特化した浴室床材の適応
一般住宅のお客様
施工料金: 6万円で施工※浴室床部分のみの場合
施工時間:1日
Before:
- 長年使用した人工大理石
- くすみがあり使用感が気になる
- 冬場の寒さがひどい
- 隙間や淵の汚れがひどい
After:
- 浴室床の徹底研磨
- 浴室床、新床材導入、冬も暖かく衛生的。
- 元々の材質に適したデザインの浴室床材の適応
ヌリバス
基本的には、浴室床補修(オーバーレイ)は1日から2日にて施工が完了します。一般的な浴室床を、オーバーレイによるリフォームにかかる所要時間となります。
所要時間 | ステップ | 詳細 |
---|---|---|
30分から1時間 | 準備 | 浴室の清掃、設備の撤去 |
2時間から3時間 | 床材の撤去 | 古い床材の除去、下地の整備 |
2時間 | 新しい床材の設置 | 防水処理、床材の設置 |
1時間 | 仕上げ | 目地材充填、防水シールの適用 |
30分 | 最終確認 | 仕上がり確認、水漏れテスト |
まとめ
ご自宅の浴室を10~15年利用している場合は、既存の浴室床の状態を確認した上で、一度浴室床のリフォームを検討してみましょう。
リフォーム方法は、既存床を撤去して新設する方法と、既存床の上に新しい床材を重ねる方法があるとみてきました。浴室床の状態や費用、施工期間などを総合的に考慮して後悔のないように事前に詳細を確認するのをおすすめします。
DIY補修の手順は、安全に施工を徹底した上で実施をお願いします。
プロにお願いする場合、業者選びのポイントは、経験、評判、見積もりの明確さ、工事後の保証です。信頼できる業者を選ぶことで、リフォームの成功率が高まります。