人工大理石浴槽を新しく購入をする方にとって、最もポイントになるのがFRPとの違いです。
人工大理石浴槽は浴槽自体が高価なのと、浴槽設置の難易度が高いため施工総額がFRPよりも1.5〜2倍近く高くなる傾向があります。長持ちはするので、20年〜30年は交換の必要もありません。
FRPは浴槽自体もリーズナブルで、設置も容易なため施工総額はリーズナブルです。ただ、10年程度で経年劣化が見えやすく、定期的なメンテナンスが必要になる傾向があります。
ちなみに人工大理石浴槽の補修&塗装の工程紹介動画もざいます。ぜひご参考にしてみて下さい。
人工大理石浴槽とは?
種類 | 定義 | 主成分 | 別名 |
---|---|---|---|
人工大理石 | アクリルやポリエステルなどの合成樹脂を主成分とする。天然大理石は含まれない。 | 合成樹脂(アクリル、ポリエステルなど) | – |
人造大理石 | 天然大理石の粉砕物に樹脂やセメントを混ぜたもの。 | 天然大理石の粉砕物、樹脂、セメント | テラゾー |
人工大理石浴槽とは、天然大理石ではなくアクリルやポリエステルなどの合成樹脂によって構成されています。
そして、人工大理石はアクリル系やポリエステル系で分けられます。
素材の種類 | 特徴 | 相場価格 | おすすめ度 (5点満点) |
---|---|---|---|
アクリル系 | 透明感、光沢、耐熱性、衝撃に強い | 約60万円〜80万円 | ★★★★★ |
ポリエステル系 | 価格が安いが、質感や耐久性に劣る | 約40万円〜60万円 | ★★★☆☆ |
アクリル系は透明感や光沢があり、耐熱性と耐衝撃性が高いため、長期間の使用に適しています。高価ですが、その品質と耐久性を考慮すると、投資価値が高いと評価されます。
ポリエステル系は価格がアクリル系に比べて低く、予算に制約がある場合に適しています。しかし、質感や耐久性が劣るため、長期的なコストパフォーマンスを考慮すると、アクリル系に劣ると評価されます。
なので、人工大理石浴槽を選ぶ際はアクリル系の浴槽を選択するのがおすすめです。追い焚き機能があるモデルはどうしても、高くなる傾向にあるので予算に制限がある方の場合はFRP浴槽を選択するケースが多いです。
人工大理石浴槽のメリット
人工大理石浴槽の特性 | メリット |
---|---|
高級感 | FRP浴槽に比べて美しさと質感が優れる。 |
掃除の容易さ | 表面の硬度が高く、傷や汚れに強い。 |
カラーバリエーションが豊富 | 浴室のデザインに合った浴槽を選択できる。 |
耐久性が高い | FRP浴槽との比較が良くされますが、人工大理石浴槽の方が寿命が長く耐久性も高いです。 |
人工大理石浴槽を選ばれる方は、多くは人工大理石浴槽の高級感に魅力を感じている傾向があります。
掃除の容易さ等はFRP浴槽とそこまで大差はありません。ただ、見た目に関しては、高級感や選べるカラーバリーションが非常に多いので、浴室のデザイいんを総合的に考えた結果人工大理石浴槽を選ぶ人が多いです。
また、本物の大理石との見分けもつかないほどクオリティーも高く高級感があるのに加えて、本物の大理石よりも軽いので施工費用が大理石よりもお安くなるメリットはあります。
人工大理石浴槽の寿命とは
浴槽の種類 | 材質 | 平均寿命 | メンテナンスの頻度 |
---|---|---|---|
人工大理石浴槽 | 合成樹脂(アクリルやポリエステル) | 約20年〜30年 | 低〜中 |
FRP浴槽 | ガラス繊維強化プラスチック | 約10年〜15年 | 中〜高 |
人工大理石浴槽は耐久性が高く、長持ちします。しかし、表面の硬さが原因で特殊くな機材が必要なため、修理や再塗装が必要な場合専門的な技術が求められることが多い。
また、メンテナンスの頻度も多くはなく、10年程度の使用では劣化はしにくいため長期間の使用には適しています。
FRP浴槽は比較的安価で設置が容易な一方で、傷がつきやすく、定期的なメンテナンスが必要です。早くて10年程度で経験劣化が判別でき、色あせやひび割れが起こりやすい傾向にあります。
なので、浴槽や設置費用が多少高くとも人工大理石浴槽を新しく入れる方も多いです。
人工大理石浴槽のデメリット
人工大理石浴槽の特性 | デメリット |
---|---|
追い焚き機能の制限 | 表面が硬いため、穴開けが困難。 |
入浴剤の使用制限 | 一部の入浴剤が使用不可。 |
価格 | FRP浴槽に比べて高価。 |
人工大理石浴槽とFRP(繊維プラスチック製の浴槽)はよく比較対象になります。価格はFRPの方が低く、人工大理石浴槽の方が高くなる傾向があります。
人工大理石浴槽のデメリットとして考慮しておきたいのが、浴槽によっても異なりますが追い焚き機能が制限されたり、特定の入浴剤の使用が制限されることがあります。
特にFRPとの比較でもポイントになるのが、追い焚き機能を後付けすることが困難な点です。人工大理石浴槽は表面が硬いので、後から穴を開けることが困難なため、後付けはできないことが多いです。
なので、すでに追い焚き機能がついているモデルの浴槽を選ぶか、FRP浴槽を代わりに入れるかで悩む方が多いです。
人口浴槽塗装のカラーバリエーション
素材の種類 | 一般的なカラーバリエーション |
---|---|
アクリル系 | – ホワイト |
– クリーム | |
– ライトグレー | |
– ダークグレー | |
– ブラック | |
ポリエステル系 | – ホワイト |
– ベージュ | |
– ブラウン | |
– ブルー | |
– グリーン |
アクリル系は通常、透明感と光沢があるため、より深みのある色調を選ぶことが可能です。色の選択肢は豊富で、洗練されたデザインが特徴です。
ポリエステル系は色のバリエーションは豊富ですが、アクリル系ほどの深みや光沢は期待できません。しかし、柔らかい色調や自然な風合いが特徴です。
実際の色合いについて、浴槽メーカーにお問合せをして確認してみましょう。ご自身の目で確かめるのがベターです。
人工大理石浴槽の費用
メーカー | 製品 | 概算費用 |
---|---|---|
リクシル | グランザ | 80万円前後 |
リクシル | クレリアパール | 70万円前後 |
リクシル | クレリア | 60万円前後 |
パナソニック | アクアマーブル人造大理石浴槽 | 80万円前後 |
タカラスタンダード | アクリル人造大理石浴槽 | 50万円前後 |
トクラス | ピアノ製造技術を活用した鏡面仕上げ | 40万円前後 |
この比較表は、あくまでも概算なので浴室の構造や状態によっても、費用は前後します。場合によっては、100万円をこえる大掛かりなリフォームになることは多々あります。
また、オプションによっても金額が変わってきますので、詳細はメーカーと確認しましょう。
人工大理石浴槽塗装のプロによる施工事例
浴槽は色褪せと一部の汚れが見られ、全体的に古く使い込まれた状態です。表面には小傷や摩耗の跡があり、補修や塗装が必要な状態です。
経年劣化により浴槽の表面にはこうしたイボイボが発生してしまいます。見た目も肌触りも良くないので、こうなってしまうと補修が必須です。
人工大理石浴槽の研磨をした後は、実際の劣化状態がよりわかります。このケースは、特に浴槽の状態が悪いケースです。長期間にわたる水垢や汚れの蓄積が、表面を荒らし、イボイボが根深くかなり悪化していました。こうした表面上の劣化を丁寧な研磨で綺麗にしていきます。
浴槽表面の下処理が完了したら、プライマーを塗布し強制乾燥、何度も丁寧にプライマー塗布、乾燥と丁寧に下地処理を行います。
仕上げ塗料とクリア仕上げを塗布をして乾燥が完了したら、終了です。
このように当初酷かったイボイボも綺麗に補修され、お客様のご希望の色合いに仕上げた事例となります。肌触りももちろん改善し、綺麗な浴槽にお客様は非常に満足いただきました。
一般住宅のお客様、20年使用の人工大理石浴槽
施工料金: 25万円で施工
施工時間:2日
Before:
- 経年劣化した浴槽。
- 複数の浴槽ひび割れ
After:
- 徹底的な研磨で浴槽ひび割れ部分の下地処理、パテによる補修&研磨で下地調整。
- ホワイトクリア仕上で元々の浴槽の輝きに再生
ヌリバス社長
人口大理石浴槽の塗装は非常に難易度が高いです。DIYでは、満足のいく仕上がりにするのは困難んです。まずは無料のお見積もりや些細な相談も可能ですのでお気軽にお問合せください!
人工大理石浴槽の塗装・補修について
塗装・補修の種類 | 説明 | 依頼の目安 | 推定費用 |
---|---|---|---|
表面の研磨 | 表面に出来た小さな傷や、汚れ、くすみを取り除くために行われます。 | 軽度の摩耗やくすみが見られる時。 | 約3万円〜5万円 |
保護コーティング | 研磨後の表面に保護層を施し、耐水性や耐傷性を高めます。 | 研磨後の汚れの防止や、くすみへの予防措置として。 | 約2万円〜3万円 |
再生塗装 | 表面が大きく損傷したり、色あせたりした場合に塗装を施し新品同様の輝きを取り戻します。 | 表面の深い傷や大きな色褪せが見られる時。 | 約10万円〜15万円 |
クラック・欠けの補修 | 亀裂や欠けた部分を補修材で埋め、 塗装で仕上げます。 | 深い亀裂や部分的な欠けがある時。 | 約5万円〜10万円 |
人工大理石浴槽を補修を専門の業者に依頼する時は、浴槽塗装専門業者に依頼をすることがおすすめです。
上記の補修項目ごとに依頼をするというよりは、10万円前後で表面のコーティングから、クラックの欠け補修、浴槽塗装、最後のコーディングまでセットで依頼ができます。
なので、浴槽塗装の補修をご希望の方は、浴槽塗装専門店へ依頼をすると効率的です。
まとめ
人工大理石浴槽の交換を検討している方は、FRP浴槽との比較検討をする方が多いです。
長い目で見て、人工大理石浴槽を購入し定期的なメンテナンスも20年を経過したタイミングで行うのがおすすめですが、初期費用がかなりかかってきます。その点、FRP浴槽を丁寧に使用すれば20年近く継続して使用することも可能です。
小さなお子様がいる家庭であれば、耐久性のある人工大理石浴槽がおすすめですが、そうでない場合はFRP浴槽を丁寧に使用すれば経済的な選択ができます。ご自身のご予算やご家族の状況に応じて比較検討をしっかり行いましょう。