トイレの見た目が年々古くなってきているのを感じていませんか?日々の生活の中で、意外と見落としがちなのがトイレの状態です。
今回はトイレを新しく生まれ変わらせる塗装について、基本からプロの技術まで、わかりやすく徹底解説します。
(ヌリバス)
「一歩前へ」という張り紙よりも効果的にトイレの清潔さを保つために、デザインと色彩を活かしたトイレ塗装を行うことがオススメです。
自分でできるDIYのポイントから、プロに依頼した場合の注意点まで、トイレを快適な空間へと変貌させるためのガイドをご紹介します。
トイレ塗装のメリット
防カビ・臭い対策
- 防カビ性能を持つ塗料によって、カビの発生を大幅に減らすことができます。トイレ塗装によって、カビの成長を抑制し、健康的な空間を維持するのに役立ちます。
- 消臭機能を持つ塗料の使用により、トイレ特有の不快な臭いを軽減できます。これにより、常に清潔感のある空間を保つことができます。
耐久性と美観の向上
- 適切なトイレ塗装は、物理的損傷から保護し、美しさを長期間維持します。これにより、頻繁なメンテナンスの必要性を減らし、経済的なメリットも生まれます。
- 色や質感の選択によって、トイレの見た目を大きく改善できます。これは、空間全体の雰囲気を一新し、居心地の良い環境を作り出すのに役立ちます。
環境への配慮
トイレ塗装は、環境への負担も少ないというメリットがあります。具体的には、トイレの改装や交換に伴う廃棄物を大幅に減らすことができます。
トイレを新しくする代わりに塗装を選ぶことで、使用済みの設備の廃棄を避け、環境負荷を軽減します。これは、資源を有効活用し、持続可能な生活を実現する上で重要です。簡単な塗装作業でトイレの見た目と機能性を改善し、美しさと環境保護の両方を実現する賢明な選択と言えます。
トイレ塗装のデメリット
トイレ塗装のデメリットについては大まかには下記の3点が挙げられます。
初期費用の負担
- 高品質の塗料は、価格が高めに設定されている場合があります。初期費用は上がりますが、長期的なメリットを考えれば、コストパフォーマンスは高いと言えます。
専門的な施工が必要
- 正しい施工方法を知らないと、期待した効果を得られないことがあります。プロに依頼することで最適な結果を得られますが、これには追加の費用が発生します。
選択とメンテナンスの必要性
- 適切な塗料の選択には、環境や使用条件を考慮した慎重な検討が必要です。また、塗装後も適切なメンテナンスが求められるため、定期的なチェックやケアが必要になります。
トイレ塗装のDIY手順
基本的には、トイレ塗装のDIY手順は浴槽塗装の施工手順と同じです。
ステップ1: 準備
- 必要な材料・道具: 塗装には、シリコンオフ、プライマー、防毒マスク、トイレ用塗料&硬化剤、補修キット、サンドペーパー、研磨器、電動ポリッシャー、清掃用品、マスキングテープ、塗装用保護服、塗料用ローラーやブラシ、スプレーガンがベストです。補修には、Cセメダインのような超多用途シールがおすすめです。Cセメダインはホームセンターで約1,000円程度で購入可能です。ただし、深刻なダメージにはプロへの依頼をおすすめします。
- 塗料の購入: トイレ用の塗料はホームセンターやオンラインで入手可能です。市販で購入する場合は、mittokuブランドの二液性ポリエステル樹脂塗料と硬化剤がおすすめです。
以下は、一般的なトイレ塗装に必要な材料・道具と、それらの大まかな参考価格です。
必要な材料・道具 | 推奨・備考 | 参考価格 |
---|---|---|
シリコンオフ | – | ¥1,000〜¥2,000 |
プライマー | – | ¥1,500〜¥3,000 |
トイレ用塗料&硬化剤 | – | ¥3,000〜¥6,000 |
補修キット(パテ) | 深刻なダメージにはプロ依頼推奨 | ¥500〜¥2,000 |
サンドペーパー | – | ¥300〜¥1,000 |
研磨器 | – | ¥5,000〜¥15,000 |
電動ポリッシャー | – | ¥8,000〜¥20,000 |
清掃用品 | – | ¥500〜¥1,500 |
マスキングテープ | – | ¥300〜¥800 |
防毒マスク | 換気が難しい個室トイレ等には必須 | ¥30,000〜 |
塗装用保護服 | – | ¥500〜¥1,000 |
塗料用ローラーやブラシ | – | ¥500〜¥2,000 |
スプレーガン(最適な場合) | – | ¥5,000〜¥20,000 |
Cセメダインのような超多用途シール(補修用) | ホームセンターで約1,000円程度で購入可能 | ¥1,000 |
ステップ2: 塗装作業前の清掃
- 徹底清掃: トイレの汚れ、カビ、石鹸カスなどを取り除き、清掃後は徹底的に乾燥させます。
- 乾燥: 清掃後は、扇風機や遠赤外線ヒーターなどでトイレを完全に乾燥させます。※完全乾燥が重要です。
ステップ3: コーキングの撤去
- コーキング処理: トイレのコーキングは塗装がのらないため、撤去が必須です。撤去後は、乾燥させてから養生します。
ステップ4: 研磨
- 表面研磨: トイレの表面を細かいサンドペーパーや研磨器で研磨し、塗料の密着を良くします。研磨作業は、労力を減らすために研磨器の使用が推奨されます。
ステップ5: 養生
- マスキング: 浴室の壁や水回りを保護するために、マスキングテープの使用が重要です。
ステップ6: 下地処理
- 脱脂とプライマー: シリコンオフで脱脂処理を行い、その後プライマーをスプレーガンで塗布して下地を整えます。
ステップ7: 仕上塗装
- 塗料の選定: トイレ用に適した塗料を選び、ローラーやブラシ、スプレーガンを使用して均一に塗装します。
ステップ8: クリア仕上げ
- 光沢感追加: スプレーガンを使用してクリア仕上げを行い、光沢感を出します。
ステップ9: 乾燥と硬化
- 完全乾燥: 塗装後は、塗料が完全に乾燥・硬化するまで十分な時間を確保します。
ステップ10: 仕上調整(磨き)
- 磨き: 乾燥後、2000番のサンドペーパーで仕上げ調整し、電動ポリッシャーで最終的な磨きを行います。
ステップ11: 新しいコーキング施工
- コーキング: 新しいコーキングを施し、乾燥時間を十分に確保します。
ステップ12: マスキングテープの剥がし
- テープ除去: 乾燥後、マスキングテープを慎重に取り除きます。
注意点
- 気温と湿度: 塗料の乾燥に適切な気温と湿度が必要です。
- 塗装の均一性: 塗装は均一に行い、厚塗りやムラを避けてください。
- 安全対策: スプレーガンを使用する場合は、適切な換気と安全対策を行ってください。※必ず高性能の塗装専用の防毒マスクをしながら塗布をおこなって下さい。
トイレ塗装にオススメの塗料は?
二液性エポキシ系塗料がトイレ塗装に最適な選択肢です。その理由は、トイレのような高湿度かつ化学薬品の使用が想定される環境において、最強の耐水性と耐久性を発揮するためです。
エポキシ系塗料は硬化後に非常に強固な塗膜を形成し、長期間にわたってトイレの美観と機能性を保持します。ただし、コストが高いことや、材料は卸売業者からの仕入れが必要です。
そして、高い速乾性と乾燥後は表面もすぐに硬くなることから、2液性エポキシ系塗料を使用した作業の難易度は高いです。そのため、DIYではなくプロへの依頼を検討するか、十分な下調べと準備が必要になります。
1. アクリル系塗料
- 特徴: 水性で扱いやすく、乾燥が早い。環境に優しいという特性があります。
- 適用: 耐水性と耐久性は比較的良好ですが、高湿度のトイレ環境では長期間にわたる耐久性が若干低下する可能性があります。
- おすすめ度: ★★★☆☆
2. エポキシ系塗料
- 特徴: 非常に強い耐水性と耐化学薬品性を持ちます。また、硬化後の塗膜は堅牢で、耐摩耗性にも優れています。
- 適用: トイレの床や壁など、水濡れや化学薬品の影響を受けやすい箇所に最適です。ただし、施工には専門的な知識が必要で、価格も高めです。
- おすすめ度: ★★★★★
3. ウレタン系塗料
- 特徴: 耐水性、耐久性、耐摩耗性に優れており、エポキシ系に劣らず高い性能を持ちます。また、柔軟性があり、割れにくい特性もあります。
- 適用: トイレの床や壁に適しており、特に動きや変形が起こりやすい部分に有効です。
- おすすめ度: ★★★★☆
4. 油性塗料
- 特徴: 高い耐水性と耐久性を持ちますが、強い臭いがあり、乾燥時間が長いのが欠点です。
- 適用: 水回りに強い塗膜を形成するため、トイレの厳しい環境にも耐えうる選択肢です。ただし、室内の換気を良くする必要があります。
- おすすめ度: ★★★☆☆
トイレリフォームとトイレ塗装の比較
トイレの改善を考える際、トイレリフォームかトイレ塗装かの選択は、目的によります。以下は、主なニーズに応じた適切な選択肢となります。これを参考に、最適な方法をご検討ください。
- 予算が限られているが見た目を改善したい場合: トイレ塗装が適しています。
- 機能の向上や空間の根本的な改善を求める場合: トイレリフォームが適しています。
- 環境への配慮を重視する場合: トイレ塗装による既存設備の活用が推奨されます。
トイレリフォーム
トイレリフォームは、トイレの構造や設備を根本的に変更する工事を指します。これには、便器の交換、フロアや壁の改装、収納の追加や配置変更、最新の機能を持つトイレへのアップグレードなどが含まれます。
メリット
- 機能性の向上: 最新のトイレに交換することで、省エネや節水、自動清掃機能などの最新技術を導入できます。
- 空間の全面的な改善: トイレの空間をトータルでデザインし直すことができ、より機能的かつ快適なトイレ空間を実現できます。
- 資産価値の向上: 物件の資産価値を高める効果が期待できます。
デメリット
- コスト: トイレの全面改装には相応の費用がかかります。
- 工事期間: 工事には数日から数週間かかる場合があり、その間トイレが使用できないこともあります。
トイレ塗装
トイレ塗装は、トイレの壁や床、天井などの表面を塗り直すことによって、見た目を新しくする方法です。主に美観の向上を目的としており、比較的短時間で施工が可能です。
メリット
- コストパフォーマンス: 低コストでトイレの雰囲気を一新できます。
- デザインの自由度が高い:お店や住宅の雰囲気に合った色合いにコーディネートができる。
- 施工の迅速性: 大掛かりな工事を伴わず、短期間で作業が完了します。
- 環境への配慮: 既存の設備を活用するため、廃棄物を減らすことができます。
デメリット
- 機能の向上は限定的: 外観は新しくなりますが、トイレの機能自体は改善されません。
- 耐久性の問題: 塗装は摩耗や経年劣化により、数年で再施工が必要になる可能性があります。
トイレ塗装業社の選び方
選択基準 | 詳細 |
---|---|
実績と信頼性 | 施工事例や顧客のレビュー、口コミをチェック。 |
見積もりの透明性 | 見積もりが詳細で、追加料金が発生しないか要確認。 |
サービスの範囲 | 提供されるサービスの範囲が広いか、特定のニーズに対応できるかを確認。 |
コミュニケーション能力 | 要望や期待を正確に伝えられるか、また問題発生時に迅速に対応できるか。 |
アフターサービス | 作業後のフォローアップや保証がどの程度提供されているか。 |
営業がしつこくないか | 見積もり後の営業がしつこくないかどうか。 |
上記、基準をもとに相見積もりをとり、信頼できるプロに依頼しましょう。
特に実績と信頼性のあるプロかどうかを見極める場合は、次の基準に基づいて比較してみて下さい。事例紹介がわかりやすいかどうか。新聞やテレビなどのメディア露出があるのかどうか。顧客満足度や適切な資格を持っているか。
トイレ塗装:プロによる実例紹介
弊社にご依頼いただいた、飲食店のトイレ塗装の実際の施工実例となります。参考までにご紹介いたします。
施工前
強制乾燥
トイレ塗装後
トイレ塗装後表面
まとめ
今回のガイドでは、基本からプロの技術まで、トイレを塗装することで新しい雰囲気を生み出す方法をご紹介しました。塗装に関する正しい知識と、業者選びのポイントを理解することで、トイレリフォームがスムーズになるでしょう。